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by yaki101

X JAPAN復活公演 驚きの連続 異能ぶり発揮

 カラフルな長髪と妖艶(ようえん)な化粧が特徴の“ビジュアル系ロックバンド”の元祖といわれ、1990年代に社会現象となるほどの人気を博したX JAPANが3月28日から3日間、東京ドームで約10年ぶりの復活公演を行った。初日のステージを見たが、あらゆる面で異能のバンドぶりを発揮した。

 機材トラブルで約2時間20分遅れの開演というのも尋常ではないが、真にユニークなのはその音楽性だ。基本的なサウンドは、TOSHI(ボーカル担当)の女性のようなハイトーン・ボイスと、ツーバス(2つのバスドラム)をマシンガンのように連打する16ビートの激しいヘビーメタルなのだが、メロディーは洋楽ロックというより歌謡曲に近い。そして特筆すべきはドラム兼ピアノ奏者YOSHIKIの存在だ。少女漫画から抜け出たような美しいルックスで、雷神のごとき荒々しいドラム演奏を披露。前半の「サイレント・ジェラシー」の演奏後にはドラムセットを破壊する暴れっぷり。

 ところがその後、何事もなかったようにグランドピアノの前でにこやかに鎮座し優美な演奏を聞かせる。まるでジキルとハイド。こんなバンド、世界中探しても見当たらない。静と動、かれんさと破壊衝動、煌(きら)びやかさと沈み込むような重厚さ…。さまざまな矛盾と二律背反が混在する説明不可能な世界が展開する。

代表曲「紅(くれない)」では約5万人の観客がピンク色のお手製のポンポンを両手で振って応援。平成10年に亡くなったギター奏者HIDEを3D(立体)映像で再現する凝った演出も。しかしアンコールの「アート・オブ・ライフ」の演奏後、YOSHIKIが突然、失神しドラムセットに頭から倒れ込む。スタッフに抱き抱えられステージを降り、公演は約2時間で唐突に終了した。

 最初から最後までハプニングの連続だが、こうした無謀で予測不可能な驚きこそ、今のロック音楽に最も欠けているものなのだろう。解散から約10年もたつのに3日間で計約15万人も動員した理由はそこにある。(岡田敏一)
by yaki101 | 2008-04-06 21:05 | X JAPAN NEWS